父が若年性アルツハイマーになった 第二章ダブルケアの始まり

ダブルケアの始まり⑥

この頃父は、物忘れがある以外は日常生活に支障はなかった。 この頃は息子の育児の方がはるかに大変だった。 息子が夜泣きで何時間も泣き止まない日が多々あり、父が私の代わりに息子を抱っこしてくれた。 日中も育児を手伝ってくれた。 三人で毎日のように…

ダブルケアの始まり⑤

「父が若年性アルツハイマーかもしれない」 そんな不安が頭から離れず、一人で隠れて何日も涙を流す日々が続いた。 だけど、どんなに涙を流しても生きていれば明日はやってくる。 父はずっと明るく日常を過ごしていた。 父が病気について語ることはなかった…

ダブルケアの始まり④

「神様、どうかお父さんが若年性アルツハイマーじゃありませんように」 何度願ったことか分からない。 どうしてこんなに優しい人が。 どうしてお父さんなの。 家族のために一生懸命働いてきて、退職したらお母さんと沢山旅行に行く予定だったんでしょ。 悪い…

ダブルケアの始まり③

まさか父が50代なのに認知症を発症するはずがないと思って、インターネットで調べた。「若年性アルツハイマー」という記事が目にとまり、震えが止まらなかった。まさか、父が。いや、違う。そんなはずない。頭の中でグルグルと何日も何日も考え続けた。(次…

ダブルケアの始まり②

当時、私は父の物忘れがストレスが原因ではなく何か脳関係の病気が原因なのではないかと疑念を抱き始めた。一方で母は、ストレスが原因だと信じていた。父はよく財布を無くし家族みんなで探し回ることがよくあった。バックの中身も、出先から帰ると全部だし…

ダブルケアの始まり① (ダブルケアが始まった日 父が若年性アルツハイマーになった第二章 全6話)

まさか自分が二十代で父の介護をするなんて思っていなかった。 母は父に代わり仕事に出ていたし、主人も仕事の都合で基本家にいない。(プライバシー配慮のため主人についてはこれ以上書きません) こうして息子が生まれたのと同時に、育児と介護のダブルケ…